コロナ禍における通販広告 Tweet Monday, September 07, 2020 山田 尚 本来、通販広告は「平時」の広告と言われています。 通販で物を買うというマインドは、外部環境が落ち着いている時こそ高まるものであり、災害時あるいは政変時に、通販広告のレスポンスが落ちることは珍しくありません。 本能的に「今、そこにある危機」に備えなければという危機意識が、通販購入マインドというお気楽な意識を抑えてしまうからです。 特に高齢者利用が多い紙媒体・電波媒体における通販広告ではその傾向が顕著となります。 現在のコロナ禍は未曾有の災害であり、経験したことのない危機意識が続いているはずです。 これまでの常識では、通販広告のレスポンス激減という状況が容易に想像できますが、今現在、全く真逆の事態が起きています。 通販広告絶好調。 ここでコロナ禍で顕在化した特徴的な現象をまとめてみると 巣篭もり現象 集客禁止現象 超長期化現象 が挙げられます。 巣篭もり現象 特に高齢者が自宅から出なくなりました。 これにより、高齢者のテレビ視聴時間が大幅に増加し、インフォマーシャルが活況を呈するようになりました。 また、これまでEコマースを使わなかった高齢者の中にも、この事態を機に利用を始める層が出現してきました。 これにより、Web通販広告も大きく伸長しました。 集客禁止現象 集客媒体の中心的存在は折込チラシですが、この折込チラシの数が激減しました。 4月の東京都緊急事態宣言では、折込チラシが1枚も入らない日も珍しくなくなりました。 そもそも通販広告の折込チラシは、数有るチラシの中から目に止めてもらう、ピックアップしてもらうということが最大のハードルだったのですが、(よって折込チラシの多い週末には通販広告の折込チラシは入りません)コロナ禍で一気にこのハードルが低く(一時期は無く)なりました。 結果、レスポンス率が倍増した通販広告の折込チラシも現れました。 超長期化現象 終息が見えないコロナ禍では、現実を受け入れて日常を過ごしていくしかありません。 人は恒常的に高いレベルで危機意識を保ち続けることは困難です。 現状は、災害渦中にありながら意識レベルは平時化しており、通販広告に十分に反応できるマインドにあると言えます。 この3つの特異な現象が、非常事態=通販広告レス低下のはずなのに、全く逆の事態を発生させている要因と言えます。 コロナ禍はさまざまな業態に大きな影響を及ぼしていますが、こと通販広告に関してはプラスに働いている側面が多いようです。