特集 通販レジェンドに突撃!(前編) Tweet Friday, May 22, 2015 山田 尚 第一回 やずやグループ 未来館代表取締役社長 西野博道さん (前編) いまではスタンダードになっている、あの仕組みやあの施策、それを編み出した人物。 通販業界では知らないひとはいない! そんな通販界の「レジェンド」にお話を伺いました。 第一回目はやずやの大番頭としてやずやの成功を支えた、 顧客ポートフォーリオマネジメント(CPM)の生みの親、西野博道さんに レスポンス総研所長、山田がお話を伺いました。 山田) 本日はありがとうございます。 西野さんといったら「やずやの大番頭でCPM理論の生みの親」として有名ですが、 CPMを編み出すにいたるまでのお話をお聞かせいただけますか? 西野氏) CPMを考案するまでは、今でもそうですが、RFM理論が一般的でした。 でもやずやではRFMという概念がなかったんです。 当時のやずやのポリシーは、 買いたいと思っていない顧客へDMなどで商品を売りつけるのはよくない。 買っていただいた方にきっちりとおもてなしをする。 そして次も買いたいと思っていただく。 という考え方だったんですよ。 なので顧客への接点は商品同梱中心でした。 今になって思うと、積極的ではないにしろR0に向けたRFM的施策であったんです。 また、そのやり方で成長してきたんです。 ところがあるときを境に毎月1千万円ずつ売り上げが減少しはじめた。 売上の8割を占める優良顧客といわれる方々のLTVは高い。顧客満足度も高い。 「なのになぜ?」 という感覚でした。 そこで改めてデータを分析すると、 優良顧客の予備軍といえるCPMでいうコツコツ顧客の人数が減少していることがわかった。 コツコツ顧客が売上に占める割合は優良顧客の1/4ですが、人数は4倍。 この顧客が減少していくと、当然優良顧客へなっていく顧客も減少するので、 優良顧客数は増加していかない。 売上も増加していかない、というサイクルに陥っていたんです。 つまり、買わなくなった顧客には何もしていなかった。それがひいては当時売上が減少しているということが明らかになりました。この顧客に対してアプローチすることで、コツコツ顧客数を増やしていこうと考えたのがCPMの始まりです。 山田) コツコツ顧客が鍵ということがわかったんですね。 ではそのコツコツ顧客に対して、当時どういう考えでどんなことをされたんですか? 西野氏) 顧客は自身が抱える悩みを解決するために商品を買っているのだと思うんです。 これは今でも考え方は変わっていません。 ただ、それまでは顧客の悩みの解決になるような商品に関する情報ツールを、 商品に同梱してお客さんにお届けしていました。 それを新規顧客にたいしては毎週フォローDMを出すようにしました。 その内容も単に顧客にお送りするのではなく、 顧客の悩みを解決するための情報をお届けし、顧客が自身の購入した商品にたいして自信を持てるように、購入した商品を信じて飲んでいただけるようなマインドになっていただく内容を、送り方も合わせて考えました。 たとえば、飲み方、Q&A、お便り紹介、成分に関する情報、専門家のコメント、商品に対する当社こだわり、特徴などです。 新規顧客に2回目の購入をしていただくことは非常に重要です。 私は 「新規離脱の谷」 と呼んでいて、 新規顧客が2回目購入をしないまま離脱してしまうことを「新規離脱の谷に落ちる」 と呼んでいます。 2回、3回、それ以上購入していただいた顧客は、しばらくご無沙汰しても再び商品を購入していただける傾向があるのですが、 「新規離脱の谷に落ちた」顧客はなかなかその後購入していただけないんです。 一方で顧客へは特に特別なことはしてません。 CPMのベースにもなっているとことですが、「コツコツ顧客を増やす」ことを重要視しています。 その結果として優良顧客が増え、売上を増やすことができると考えているからです。 山田) なるほど、そしてCPMが生まれ、業績が大幅に改善したということですね。 (後編へ続く) 後編ではCPMを成功させる秘訣をお伺いします!お楽しみに!