特集:通販レジェンドに突撃!(後編)

第一回 やずやグループ 未来館代表取締役社長 西野博道さん
(後編)

前編では、西野博道さんにCPMを考案するまでをお伺いしましたが、後半ではCPMでの成功の秘訣や、心構えを語っていただきました。

山田)
西野さんが考える「CPM」とは?

西野氏)
CPMはコツコツ顧客が離脱せず、
稼動してもらうためには私たちは何をすればいいかを教えてくれるシステムと思っています。
私はこれを「お客様への懺悔のシステム」といっています。

山田)
懺悔のシステムですか?

西野氏)
はい。CPMでコツコツ顧客の動きを分析することで、
たとえば、購入から遠のいた顧客を発見し、

「なぜ購入いただけなくなったのか?」
「どんな情報提供をすること(もしくはしないこと)がよいか?」

など顧客が遠のいてしまった要因を検証し、
再び購入いただけるようなフォローを作るシステムです。
これはお客様への懺悔じゃないですか?

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山田)
そうですね。懺悔ですね。
「何かお気に召さないことがありましたか?わたしたちは改めましたのでまた是非いらしてください」
というアクションを起こすためには不可欠ですね。

一方で、稼動しているコツコツ顧客を増やしていくということは非常に重要であるのですが、
成果(売上)があがるまで少し時間がかかりますね。

私も西野さんと同じような考えが根底にはあるのですが、
クライアントによっては
今月の売り上げ目標、今期の売上目標、をクリアするために、
どうしても短期的な成果を求めてしまわざるを得ないケース
でのお手伝いをすることがよくあります。

その場合RFM分析によって効率的に短期間で売上を上げる・・・

西野氏)
そうですね。

ダイレクトマーケティングで活用されるRFM分析はいうなら、
IQの高い子供を集めて、東大合格率を上げるようなマネジメント。
CPMは
授業をサボるような子供に授業を受けてもらえるようにするようなマネジメントなんです。

そのためにどうすれば毎日授業を受けてくれるかを工夫する…
でも東大にいける可能性のあるようなIQの高い子供ってそんなごろごろいませんよね?

RFMの考え方は、
顧客がどんどん増えていくような拡大市況の時には有効で売上の拡大もできる手法であると思います。
しかし現在の市況は違います。

1~2割の売上アップを短期的に上げるためには有効であり活用してくのは否定しませんが、
RFMをベースとしたマネジメントを行うというのは
継続的な事業拡大には不向きな手法ではないでしょうか。

CPMは「稼動顧客数を増やす」ことに有効な手法であるので短期的に結果が出にくいのですが、これが売上アップの絶対条件の一つでなんです。そのことは忘れていただきたくないですね。

山田)
なるほど。
これまでRFMなど他の手法で行ってきた通販事業者にとっては、CPMを実践していこうとするとRFMのように売上やDMの反応率がリアルタイムで直接返ってこないので、
「この施策は本当に正しいのか?」
という不安があると思いますが、どういったポイントに気をつければよいでしょうか?

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西野氏)
それにはCPMに沿ったKPIを設定することですね。

CPMでは主なKPIとして
LTVは移動年計(当月から過去一年のLTV)で毎月推移を確認すること。
推移率(コツコツ客から優良客に何%が推移したか、優良顧客が何%離脱したかなど)
復活率(コツコツ離脱、優良離脱からの復活)
を設定するといいと思います。

その数値の設定が、

たとえば、復活率に関しては、DMのコストとツーペイでもいいと思います。
2%の復活率でも1年間、毎月DMを送れば述べ24%の顧客が復活してくれます。

大切なのは「稼動顧客を増やすこと」です。

そして月次でKPIを確認して、数値が悪化している場合に、

「なぜだろう?」
「顧客にたいして何が足りなかったんだろうか?」
「何かネガティブに捉えられることはなかったか?」

などを検討して改善していくことだと思うんです

また、その前提としてのポートフォーリオでの優良顧客の定義ですが、
それぞれの企業で取り扱う商品によって購入金額は違いますので、
累積購入金額も企業によって違います。

まずポートフォーリオでの「優良顧客」の累積購入金額の設定は、
メイン商品を1年半くらい継続購入すると到達する金額を設定するといいと思います。

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山田)
そのほかに、なにかCPMを活用していくポイントはありますか?

西野氏)
CPMを実践してく際に大切なのは、
顧客に対してはラブコールを送る、という気持ちでメッセージを伝えること。

楽しんだり、わくわくしたり、トキメいたり、ノスタルジーを感じたり、夢をみられたり・・・
受け取った顧客がうれしくなるようなものを送りたいですね。

機能的なことを伝えるのも大切ですが私は、
論理より心理に訴えていったほうがよいと思います。

これを追いかけていけば、売上はアウトカムとしてついてきますよ。

これを忘れて、
CPMの顧客分類手法だけを取り入れて、
それぞれの顧客にセールス的なDMを送ればいいという考えだと
結局は短期的な効率を求めるRFMと同じですので、中長期的な成長は難しいですね。

「CPMを導入しているけどうまくいかない」
という会社はこのケースが多いですね。

CRMは顧客へ対するマインドチェンジをもたらすツールです。

第一の目的がレスポンスと売上を追求するのではなく、
顧客との関係性、信頼関係を強固にするためということです。

売上はアウトカム、その結果としてついてくる成果なのです。

山田)
本日はありがとうございました。

CPMは一見、RFMの進化した手法だと思っている方も多いと思いますが、
まったく違う考えのものなんですね。

私たちもCPMを活用してますます通販企業を元気にしていきたいと思います。

特集:通販レジェンドに突撃!
第一回は未来館代表取締役社長 西野様のお話を伺いました。

とても穏やかなのですが、内に秘める熱意がひしひしと伝わってきました。
西野様、ありがとうございました。

次回の「通販レジェンドに突撃!」をお楽しみに!

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